2023/08/14
法廷尋問とは、裁判において証人や当事者に対して行われる質問のやりとりを指します。刑事裁判でも民事裁判でも、この過程は裁判の行方を大きく左右する重要な手続きです。証言によって明らかになる事実は、裁判官が判決を下す際の根拠となるため、尋問は真実を引き出すための中核的な役割を果たしています。
法廷尋問にはいくつかの段階があります。最初に証人を呼び出した側、たとえば検察官や弁護人が行うのが「主尋問」です。この段階では、基本的に証人に自由に話させる形式が重視され、答えを誘導するような質問、いわゆる誘導尋問は禁止されています。次に、相手側が行う「反対尋問」では、その証言の信頼性や矛盾点を突くことが目的とされており、この段階では一定の範囲で誘導尋問も認められます。
場合によっては、主尋問・反対尋問の後に、再度それぞれが尋問を行うこともあります。これを「再主尋問」や「再反対尋問」と呼びますが、ここでは先の尋問で出た内容の補足や修正が中心となります。
尋問の目的は、単に情報を引き出すことにとどまりません。証人が語る内容が一貫しているか、証拠と食い違っていないか、信頼できるかどうかを検証することに大きな意味があります。ときには尋問によって、事件の背景や当事者の心理状態までもが浮き彫りになります。
法廷の場では、尋問に関する厳格なルールが定められており、証人は偽りの証言を行った場合、偽証罪に問われる可能性があります。また、質問を行う側、すなわち検察官や弁護士には、論理的かつ的確に話を導く技術が求められ、冷静さや洞察力も欠かせません。
法廷尋問は単なる質疑応答ではなく、裁判の公正さを支える柱のひとつです。そのやり取りの中で、証言者の言葉や態度、さらには沈黙までもが裁判の結果に影響を及ぼすことがあります。法廷という場の緊張感の中で交わされる尋問は、法と事実の交差点とも言えるでしょう。
証人尋問の反訳、裁判 反訳
https://www.tapeokoshi.net/about-jinmon/
法廷尋問で思う、事実の食い違い
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