2023/08/14
議事録とは、会議や打ち合わせで交わされた議論の内容や決定事項を、後から確認できるように文書として記録したものです。ビジネスの現場では非常に重要な役割を果たしており、単なる記録にとどまらず、意思決定の証明や業務の進捗管理、情報共有の手段として幅広く活用されます。
会議の場では、さまざまな意見や提案が飛び交い、最終的にどのような結論に至ったのかが不明瞭になりがちです。そうした状況において、議事録があることで「何が話し合われたのか」「何が決まったのか」「誰が何をいつまでに行うのか」が明確になります。これは、後からその会議の内容を振り返る際に非常に有効であり、また、会議に参加できなかった人への正確な情報共有手段ともなります。
特に、仕事上でのトラブルや認識の行き違いを防ぐ上でも、議事録の存在は欠かせません。文書として残っていれば、発言や決定内容を巡る「言った・言わない」の水掛け論を回避できるため、組織内の信頼関係を守る上でも役立ちます。さらに、プロジェクトの引き継ぎや過去の判断理由を探る際にも、議事録は知識の蓄積として機能し、業務の継続性を支える要となります。
しばしば議事録と混同されやすいものに「逐語録」がありますが、両者は性質が大きく異なります。逐語録は発言者の言葉を一語一句正確に記録したもので、議論のニュアンスや話し方、感情のこもり方までを残すことを目的としています。これは裁判や国会など、発言内容そのものが記録対象となる場面で使われるのに対し、議事録は情報の要点を整理して簡潔にまとめることを重視します。したがって、議事録は実務の中で素早く内容を把握し、次のアクションにつなげるための「整理された知的ツール」であると言えます。
つまり、議事録は記憶に頼らず正確な業務遂行を支援するだけでなく、組織全体の意思決定と行動を可視化し、ビジネスにおける透明性と信頼性を確保するための基盤でもあるのです。
議事録の書き方と留意点
https://www.tapeokoshi.net/1843/
議事録の書き方 会話形式と要約形式
https://www.tapeokoshi.net/557/