2024/04/12
委員会や総会の議事録の書き方は、原則として、その組織や法人の自由です。
といっても、何かの指標は必要だと思いますので、ここでは、スタンダードな議事録の書き方を2つ、お伝えします。
議事録の書き方1「会話形式」
発言通りに文章化し、また発言者も文章化する、いわゆる逐語録。議事録の残し方として、おそらく最もスタンダードな書き方である。
当社のご依頼いただく範囲で言えば、国・地方自治体の委員会などでご用命いただく。
特徴:
1,すべてを網羅
発言を一字一句文章化し、意図して編集していないことから、会議の全体像と細部を把握しやすい。
2,意図・恣意性がない
発言を一字一句文章化し、意図して編集していないことから、恣意的な解釈が入らない。
また、編集する場合と比べて、発した言葉のニュアンスが変わることもないため、最も正確な議事録となる。
3,文章量の長さ
発言の全文は、数万文字に及ぶため、その議事録で個別の議題やそれに関連する発言を確認しようとすると、探すのに手間がかかる。
4,作成がやや困難
一般に、この種の委員会や総会の議事録を作成する際は、ICレコーダーなどで収録をしてそれを持ち帰り、その音声を聞きながら文章化していく。
いわゆるテープ起こし・文字起こしという作業であるが、これが、かなりの時間(日数)と(考えるという行為による)頭のカロリーを消費する。平たく言えば、とても大変である。
※会話形式は以下でより詳しく触れています
会話形式は「網羅性」が高い
※会話形式の作成は「ケバ取り」が適切です
ケバ取りテープ起こし とは
例文(テンプレート):
以下は会話形式の例である。
この書き方が唯一正解ではないが、発言者とその発言を分かりやすく書くのが望ましい。
議事録の書き方2「要約形式」
もう一つは要約形式である。
話された内容を簡潔に要約するものであるため、読みやすい。
議事録として保管しておくためのものであるし、人に見てもらうためのものでもある。(どちらかと言えば後者の意図だと思う)
特徴:
1,迅速な理解
文章量が短く端的で、箇条書きが多いため、理解しやすい。だからこそ報告の用途に適している。
2,情報の抜け落ちとニュアンスの問題
「編集する」という行為によって、発言内容にある情報の一部を編集過程で削除することが多い。だからこそ、文章力が短く端的になるのである。
要約すること=恣意的な行為であり発言のニュアンスが変わってしまうため、発言者の発言意図がブレてしまう可能性がある。
上記1の「理解しやすい」理由は、要約形式が会話形式より優れているからではなく、単に実際の発言を圧縮して端的に書いているから「読みやすい」だけなのかもしれない。詳細を知るためには、要約形式を読んだうえで、会話形式にも目を通す必要がある。
3,作成の仕方で多くの時間を要する
要約の仕方にもよるという前提で、
たとえば、会議に書記担当者が同席して、発言内容の重要な部分だけをノートPCに書き留めていき、会議終了後にそれをとりまとめ、ブラッシュアップして完成させる場合は、何日もかからないはず。ただし、これは相当簡単な議事録の作成に限られる。
より情報量が多い作り方の場合は、「原稿を作る」という行為が色濃くなり、かなりの時間(日数)と(考えるという行為による)頭のカロリーを消費する。平たく言えば、とても大変である。
※要約形式の作成は、要約テープ起こしが適切です。
例文(テンプレート):
以下は要約形式の例である。
要約の度合いによって書き方はかなり異なってくる。たいていの場合、見出しを立てて、箇条書きあるいは極めて端的な表現にする。
例