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  • 会議や理事会で「に関しましては」って連呼する方の特徴は。。。

     

    タイナーズでは、翻訳業務も行っておりまして(英語のみです)、翻訳原稿を精査していて、たまたま「~に関する」という言葉を調べる機会がありました。

     

    とくだん珍しい言葉ではなく、ホントそのまんまで「~に関係している」という意味なんです。で、興味深いのは、この言葉は、ある主体があったときに、その主体をぼやかせてしまうのではないかということが分かったんですよね。

     

    つまりですね、

     

    アベノミクスの三本の矢について、ご説明します。

     

    という文章と、

     

    アベノミクスの三本の矢に関して、ご説明します。

     

    という文章。

     

    これらを見比べてみてください。

     

    なんとなく違いって分かるでしょ?

     

    「~について」を用いているほうがアベノミクスの三本の矢のことそのものを説明する印象を受けます。いっぽうで、「~に関して」のほうは、アベノミクスの三本の矢のこととその周辺のこと(つまり関連すること)も含まれているような印象を受けます。

     

    翻訳の場合は、ここから意味を熟考していくわけですが、調べていくうちに面白いことが分かったんです。

     

    会議や理事会のテープ起こしの音源で、計画や議案の説明をする方が「~に関しましては」「それに関しては」などなど、「~に関する」という意味合いの言葉を口癖のように連呼される方がいらっしゃるんです。

     

    テープ起こしにおいて、「たとえば~、たとえば~」「~ですね、~ですね」など連呼をするいわゆる口癖というのはよくあります。それらを文章化しないのはケバ取りテープ起こしというわけですが、今回、「~に関する」の意味や使い方を調べていて気が付いたのですが、もしかして、「~に関する」という意味合いの言葉を連呼される方って、もしかしてご自身の説明や発表に何らかの理由で自信がないのでは?ということなんですよね。

     

    同じような使われ方では、「~だと思います」というのもそうですよね。

    決して断定できていないんですよ。要は核心についてぼやかせてしまっているということなんです。

     

    よく何かを発注する際に業者さんに電話したときにも、やたらと「~だと思います」という担当者の方っていらっしゃいますね。「だと思いますって、あんたのところの商品(サービス)だろうよ」なんて突っ込みを入れてしまいそうになりますが、また、うちの職員にもホントに断定できないこと以外は、しっかり断定する形で依頼者様と話しなよと言っていますが、いずれにしても、これらのぼやかせる言葉というのは、ホントに断定できないこと以外の場面では、自分に自信がないときに無意識的に出る表現なのではないかと思うわけです。

     

    となると、他の連呼される口癖にも、それを連呼するということは何らかの無意識的な理由がありそうな気がしますね。

     

    「たとえば~、たとえば~」なんていうのは、口癖のもっともスタンダードなものですが、そもそもたとえていない場合が多いんですよね(笑)

     

    ということは、たとえようとしなければならない無意識的な理由がそこにはあるはずなんです。

     

    って、こんな興味深いことに気が付きましたので、この点に注目しつつ作成に携わってみようと思います。何かひとつの結論が出ましたらお知らせしますね!