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  • 自己紹介をしていないのに話者が特定できる理由

     

    登場人物が不確定で、依頼者様にもどんな方がその会議に出席されていたかご存知でない場合があります。(とくに依頼者様が自社のクライアントから音源をお預かりした場合などがそうですね)

     

    では固有名詞はまったく表記することができないかと言えばそういうことでもありません。

     

    たとえば、こんな感じ。

     

    ==

    ――今日は、大変お忙しい中お時間をいただき、知事にお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

     

    よろしくお願いします。

     

    ――石原さんのあとを受けての就任ということですので、なかなか大変な部分もあるんじゃないですか?

     

    いやいや、そんなことは。ちょっとはあるかな(笑)

     

    ――やはりまずはオリンピック招致のことについてお伺いしたいのですが。

    ==

     

    という会話を見たとき、とくに回答者のお名前は出てきていませんよね。

    でも、誰だかスパッとわかります。そうです、現東京都知事である猪瀬直樹氏ですね。

     

    とまあ、これは簡単すぎる例ではありますが、いずれにしても、音声で話されている会話にその話者のお名前が出てこなかったとしても、話者の固有名詞を特定することができます。

     

    その方法としては、会話の中でその方の周辺情報が一定程度出てきているはずですので、それを精査し、つきとめるという方法です。

    つまり、「音声で確認が取れない=不確定」ではなく、話の中身を精査し、その話の内容から個人を特定するということになります。

     

    これは回答者が、たとえば知事さんのような全国的に知名度のある方じゃなくても、特定は可能です。

     

    ○○病院の看護部長

     

    という表現が出てきたとき、一般的理解として、看護部に部長は一人しかいません。ですから、○○病院のウェブサイトで組織を確認し、看護部長である方のお名前を記載することができます。

     

    といっても、この方法は万能ではありません。わからない場合もあります。

     

    先の病院の例で言いますと、看護師さんの場合です。

    看護部長は、ひとつの病院、ひとつの組織で1名しかいませんが、看護師さんは大勢いらっしゃいます。

    この場合は、なかなか特定が困難です。

     

    もっとも顕著な事例は、いわゆる「一般の方」という括りに入る方々です。

     

    といっても、我々もひとたび職務から離れれば「一般の方」です。

     

    テープ起こしと翻訳を専門にしているタイナーズの代表者

     

    といえば、まさしく私のことですが、

     

    隣近所に住んでいらっしゃる男性の方

     

    だけですと、これではわかりませんね。

     

     

    そういう意味では、ご依頼内容によって特定ができる場合と困難な場合とで分かれます。