議事録の作成は、会議が終わったあとにやる仕事だと思われがちです。
しかし実際には、会議の「前」から準備が始まり、「当日」の録音や記録を経て、「後」の文字起こし・原稿整形・確認まで、多くの工程が連なっています。
この記事では、議事録ができるまでの工程を一つひとつ書き出してみます。全体を可視化することで、「どこに手間がかかっているのか」「どこを改善すれば楽になるのか」が見えてきます。
議事録ができるまでの工程
議事録が完成するまでには、大きく分けて「会議前」「会議当日」「会議後」の3つのフェーズがあります。それぞれの工程を書き出してみます。
【会議前】
・録音機材の選定(どのレコーダーを使うか、何台必要か)
・機材の充電・ストレージ容量の確認
・会場の下見または図面の確認(どこにレコーダーを置くか)
・当日の録音担当者の手配
・出席者名簿の準備(発言者を特定するために必要)
【会議当日】
・機材の搬入と設置
・テスト録音(音が拾えているかの確認)
・録音の開始と監視(バッテリー・録音レベルの確認)
・発言者のメモ(誰がいつ話したかの記録)
・機材の撤収
【会議後】
・録音データの確認(きちんと録れているかの検聴)
・文字起こし(音声をテキスト化する作業)
・発言者の照合(メモと音声を突き合わせて、発言者を特定する)
・原稿の整形(ケバ取り、整文、体裁の調整)
・内容の確認・修正
・納品(関係者への配布)
書き出してみると、かなりの工程があることがわかります。そして、これらの工程はすべてつながっています。前の工程でつまずくと、後の工程すべてに影響が出ます。
うまくいかなくなるのは、どの段階?
上記の工程の中で、特に問題が起きやすいポイントがあります。
録音品質が悪いと、文字起こしの段階で詰まる
議事録作成の工程全体の中で、最も大きなボトルネックになるのが録音品質です。遠くの席の声が入っていない、ノイズで発言が聞き取れない——こうした録音の問題は、文字起こしの段階で初めて判明します。しかし、そのときにはもう会議は終わっており、録り直すことはできません。
聞き取れない箇所が多いと、文字起こしの作業時間は大幅に増えます。何度も巻き戻して聴き直し、それでもわからない箇所は空欄にするか、推測で埋めるしかありません。結果として、議事録の精度と作業効率の両方が低下します。
発言者の記録がないと、照合に膨大な時間がかかる
「○○委員が□□と発言した」という形式の議事録を求められる場合、録音データだけでは発言者を特定できないことがあります。声を聞いて「この声は誰だったか」を一人ひとり照合していく作業は、会議に出席していた人にしかできず、しかも非常に時間がかかります。
当日メモを取っていなかった場合、出席者に確認を取る必要が生じることもあります。会議から日数が経つほど記憶は曖昧になり、照合の精度も下がっていきます。
録音係と会議運営の兼任が事務局の負担になる
多くの場合、録音の準備・操作・監視は事務局の担当者が兼任しています。しかし、事務局は当日、資料の配布、出席者の受付、議事の進行補助など、やるべきことが数多くあります。その中で、録音機材の状態まで常に気を配るのは現実的ではありません。
結果として、「録音はしていたが、途中からバッテリーが切れていた」「ノイズが入っていることに気づかなかった」といった問題が、会議後に発覚することになります。
会議のたびに同じ苦労を繰り返す
こうした問題は、一度だけのことではありません。定期的に開催される委員会や審議会では、毎回同じ準備をし、毎回同じリスクを抱え、毎回同じ苦労をして議事録を作成することになります。会議のたびに「議事録づくり」が大きな業務として事務局にのしかかります。
この負担を減らすには
議事録作成の負担を減らす方法は、大きく2つの方向性があります。
方向性①:工程の一部を改善する
録音機材をより高性能なものに変える、録音のマニュアルを整備する、文字起こし用のテンプレートを作る——こうした個別の改善は、一定の効果があります。ただし、工程全体の構造は変わらないため、事務局の業務量は大きくは減りません。
方向性②:工程の全体をまとめて外に出す
録音の準備から、当日の収録、発言者の記録、文字起こし、原稿の整形まで——この工程全体を一括で外部に任せるという方法があります。
「文字起こしだけ外注する」というのは一般的ですが、その場合、録音の準備・当日の収録・発言者の記録は事務局の仕事として残ります。そして先述のとおり、録音品質が悪ければ、文字起こしの精度にも限界があります。
一方、録音の段階から一括で任せると、工程の全体がつながった状態で外に出せるため、品質の分断が起きません。事務局の仕事は「業者への連絡」と「納品された原稿の確認」だけになります。
一括で外に出すと、何が変わるのか
録音から議事録作成までを一括で外部に任せた場合、先ほど書き出した工程がどう変わるかを見てみます。
【会議前】
・録音機材の選定 → 業者が対応
・機材の充電・容量確認 → 業者が対応
・会場の確認・配置検討 → 業者が対応
・録音担当者の手配 → 業者が対応
・出席者名簿の準備 → 事務局が共有
【会議当日】
・機材の搬入・設置・テスト → 業者が対応
・録音の開始・監視・調整 → 業者が対応
・発言者のメモ → 業者が対応
・機材の撤収 → 業者が対応
【会議後】
・録音データの確認 → 業者が対応
・文字起こし → 業者が対応
・発言者の照合 → 業者が対応(当日のメモがあるため照合不要)
・原稿の整形 → 業者が対応
・内容の確認・修正 → 事務局が確認
・納品 → 業者からデータで受け取り
事務局に残る仕事は、出席者名簿の共有と、完成した原稿の確認だけです。
これは単に「業務が楽になる」という話ではありません。録音・発言者記録・文字起こしがすべて同じ業者の中で完結するため、工程間の品質が連動します。録音を担当した者が音声の特性を把握しているので文字起こしの精度が上がり、発言者を記録した者の情報がそのまま原稿に反映されるので照合ミスが減ります。
どんな会議で活用されているか
録音から議事録作成までの一括対応は、以下のような場面で活用されています。
委員会・審議会・協議会
自治体や官公庁の業務として開催される委員会・審議会は、議事録の正確性が強く求められます。参加者が20名前後と多く、発言者の特定も必要なため、一括対応の効果が最も大きい場面です。自治体関連のコンサルティング会社様が、事業の一環として定期的にご利用されるケースが多くあります。
講演会・シンポジウム・パネルディスカッション
壇上の講演者だけでなく、質疑応答での聴衆の発言も記録する必要がある場合、会場の複数箇所に収録機器を配置する必要があります。講演内容を冊子やウェブに掲載するために、正確な記録が求められます。
各種団体の総会・株主総会・意見交換会
機密性の高い会議であっても対応可能です。音声データの取り扱いについて、主催者のセキュリティ方針に沿った運用が行われます。
ハイブリッド会議
対面参加者とオンライン参加者が混在する会議は、録音トラブルが最も起きやすい形態です。会場側の音声とオンライン側の音声の両方を高品質で収録するためには、専門的な対応が必要です。
弊社「テープ起こし専門タイナーズ」では、こうした会議の録音から議事録作成までを一括でお引き受けしています。東京、大阪を中心に全国対応しており、毎月多数の実績があります。
まとめますと
ここまで、長くお読みいただきありがとうございます。
議事録作成は、録音機材の準備から、当日の収録、文字起こし、原稿の整形まで、多くの工程を経て完成します。これらの工程はすべてつながっており、録音の段階でつまずくと、後の工程すべてに影響が及びます。
工程の一部を改善するだけでは、事務局の負担は大きくは変わりません。録音から議事録作成までを一括で外部に任せることで、品質と効率の両方を根本から改善できます。
「毎回の議事録づくりが大変だ」と感じている方は、工程の全体を見直してみてください。
あわせてお読みください
会議の記録を確実に残すには? 録音体制の選び方
会議を録音したのに、文字起こしできない——その原因と根本的な解決策




