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整文とは

time 2025/05/27

folder 文章化の仕方

整文とは、録音された音声を文字に起こす際に、話し言葉の不規則さや曖昧さを整え、読みやすく意味の通る書き言葉へと直す作業のことを指します。

会話には、「あのー」や「えっと」といった意味を持たないつなぎ言葉や、途中での言い直し、主語や述語の省略などが多く含まれています。こうした表現は会話としては自然ですが、文字にすると読みにくく、冗長に感じられてしまうことがあります。

たとえば、

「えー、あのー、それでですね、まあ、その件についてはですね、再検討することになりました」

上記のような発言があった場合、整文すると

「その件については再検討することになりました」

とまとめることが一般的です。
このように、整文では不要な言い回しを取り除き、文法的に正しい形に整えながら、読み手にとって分かりやすい文章に仕上げていきます。

整文は、議事録やインタビュー記事、講演やセミナーの記録など、発言内容を文章として公にする場面でとても役立ちます。発言の意図が正確に伝わるようになり、資料としての読みやすさや説得力が向上するためです。また、報告書や研究資料などで発言を引用する場合にも、整文された文章は読み手の理解を助け、誤解を防ぐ効果があります。

ただし、整文を行う際にはいくつか注意点があります。話者の意図や内容を変えずに整えることが基本であり、過度に書き換えてしまうと誤った印象を与えてしまう恐れがあります。また、文の調子や敬語の使い方は、媒体や対象となる読者に応じて調整することが望ましいです。場合によっては、曖昧な指示語を具体的な言葉に置き換えたり、省略された主語を補ったりして、文章の流れが自然になるように工夫します。

整文は単なる文字起こしではなく、話し言葉を適切な書き言葉へと翻訳する知的な編集作業とも言えます。録音された内容を正確に、そして簡潔に伝えるために不可欠な工程であり、情報を受け取る側を意識した丁寧な作業でもあります。整文がきちんと施されていることで、音声の記録は初めて読み手にとって意味ある文書となります。