2024/04/12
アンケートの自由記述の質問文は、その聞き方によって回答が左右しますので、注意が必要です。
「聞き方によって」というのがポイントで、質問の仕方によって、意図しないところで回答をコントロールしてしまうからです。
下記の例文をご覧ください。
一見するととくに問題のない設問に見えますが、この場合、「何か特別な注意を払わなければならないことが多いと思いますが」が入ることで、「緩和ケア病棟の患者が外出する際は、特別な注意を払わらなければならないこと」が前提となってしまい、その前提のもとに、アンケートの回答者は答えを書きます。
もう一つ例を見て見ましょう。
これも例文1と同じように、「外出によって患者の健康状態が悪化するリスクについて」が入ることで、外出が患者の健康に悪影響を与えるという前提を含んだ設問になっています。
どちらも前提条件を入れて質問していることで、回答者は無意識のうちに、その前提条件を回答条件に含めてしまい(これを認知バイアスと言います)、あらかじめ質問者側が回答をコントロールしていることになってしまいます。
つまり、漠然と自分の聞きたいことを質問文として作ると、それこそ無意識のうちに前提条件が入ってしまいますので注意が必要です。
どう注意するか、、、意識すること、でしょうかね。どうしても(自分が思う)良い回答を得たいと思うあまり、無意識に前提条件を入れてしまいますので、できるだけフラットに、無機質なくらい冷静になると良い質問文が作れるはずです。
なお、上記の2つの例文を、正しい質問文に修正すると、以下のようになります。
ご覧のように、前提条件がなく、純粋に「緩和ケア病棟に入院中の患者が外出する時に気を付けていること」を聞く設問になっています。